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2009年01月06日

ジンバブエ、深まる危機の行方?

皆様、こんにちは!タマラです。

エマージング市場に限らず、最近、一番気になる地域というとやはりジンバブブエ共和国でしょう。解決がなかなか見えない混乱の状況が去年の3月からずっと続いています。ジンバブエの与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線のムガベ大統領はや野党の民主変革運動(MDC)のモーガン・ツァンギライ議長は去年の3月の大統領選と6月の同決選投票で争ったが、野党の支持者に対する暴力事件の連鎖が起きたため、ツァンギライ議長は正当な選挙条件を求めて、立候補対の停止を発表しました。それから事態がますます悪化しました。ムガベ大統領の指示で行なわれた「白人の農地を徴発する」政策等は多くの農業専門家の亡命や食糧危機を及びました。インフレもハイパー水準に上り、1000億ジンバブエ・ドルで、卵が3個しか買えないというような状況が多くのメディアに取り上げられていました。それに加えて、コレラが発生し、感染者が12月末時点で2万9131人に達し、1564人が死亡したと報道されました。コレラ被害は全地域に広がっており、隣国の南アフリカにも影響が出始めています。

ムガベ大統領やツァンギライ議長は南アフリカのムベキ元大統領の仲介で、連立政権樹立に向けた基本合意に署名したものの、これまでの組閣人事は失敗に終わっています。しかし、政治的な対立が続く限り、今回の危機を解決することは不可能に近いだと思います。
ムガベ大統領は3日、与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」の大臣や副大臣12人を更迭し、「野党との連立政権組閣に向け準備を始めた」と政府系報道が伝えたが、ムガベ政権からツァンギライの支持者に対する圧力や暴力が耐えない模様です。今、世界中に話題を呼んでいるのは人権活動家ジェスティナ・ムココの件です。ムココ氏ら32人が12月3日、自宅から何者かに連れ去られ行方不明になっていたが、12月下旬にいきなり「ムガベ政権転覆を計画した罪」に問われて24日に裁判にかけられた。同日、ジンバブエの裁判所はジェスティナ・ムココ氏の釈放を命じる決定を言い渡したが警察側はこの決定を無視、結局、31日行なわれた別の裁判所の決定でムココ氏の釈放が延期となった。

 こういう状況の中では隣国である南アフリカの姿勢が非常に気になるところです。多くの市場関係者は「ムベキ大統領を辞任に追い込んだズーマ氏がムガベ政権へのもっと積極的な圧力を掛ける」と期待していたものの、現時点で南アフリカの政権は自分の影響力をあまり使わず、静観的な態度を取っています。ところが、今回のジンバブエ危機は南アの次期大統領とされるズーマ氏にとっても政治的な能力が試される非常に大きな試練になるに違いないです。残念ながら、現時点でその対応を見る限り、ジンバブエのことだけではなく、南アの将来に対しても大きな不安を感じます。



globalinfo at 15:47
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